2018-11-22
イギリスぶらり一人旅③
もはや驚かないぼっちイギリス旅行記その3。
ロンドンを離れて田舎の方へ向かいます。今回はだらだらコッツウォルズ周辺編
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このままもう少しロンドンにいてもいい気分ではあったのですが、Stratford-upon-Avon(コッツウォルズのさらに北)のホテルを予約していたため、ロンドンを離れて北の方へ向かいます。

さて、この日はStratford-upon-Avonに向かう道中で、コッツウォルズの観光をしようと思っていました。というわけで、National Railの券売機でMoreton-in-Marsh行きのチケットを購入します。
乗車する列車のプラットフォームがどこなのかは直前にならないと分からないため、コーヒーを飲みつつ電光掲示板を眺めて待ちます。出発15分前くらいになると、自分の乗る列車のプラットフォームが表示されました。ぞろぞろと人の波が移動していきます。その波に乗って、列車に乗り込みました。
しばしさらばロンドン(また次の日に戻ってきますが)。

郊外まではあっという間です。しばらくすると辺りは一面の牧草地。馬、羊、ヤギがたくさん。車窓の風景で癒されました。
途中、かのオクスフォード大学のある学園都市、Oxfordにも停車したのですが、今回は(如何せん今日中にコッツウォルズよりも北に着いていなければならないため)時間がないことは明らかなので、また今度にします。

約1時間半ちょっとで、Moreton-in-Marsh駅に到着。駅に着く頃には、他の乗客はほとんどいませんでした。
駅前には、なぜか一部日本語のバス案内があります(本当に一部ですが)。日本人も多いんだろうなーと感じつつ、考えたことはただ一つ。「来たはいいが、これからどこ行く?何する?

コッツウォルズは、広大な牧草地の中に点々と小さな村があるような地方です。ここでの移動は、基本的にバスとなります。しかしそもそもバスの本数も少なく、「ツアーではないコッツウォルズ観光は難易度高い」と各所で言われているような地域です。もちろんこの無計画さでお分かりいただけると思いますが、ツアーではありません。
バスの時刻表を見つつ暫し考えます。バスの本数を鑑みると、気になる村を全部回るのは不可能に近い。それなら一つ村を厳選して、そこでだらだらしよう。
というわけで、一番気になっていた「Bourton-on-the-Water」村へ向かうことに。

……と、時刻表を見てみると、Bourton-on-the-Waterへ向かう次のバスまで、1時間近くありました。
ずっとバスを待ち続けるのもどうかと思うので、しばしMoreton-in-Marshの村を探索します。
ちなみに、今夜のホテルのあるStratford-upon-Avonへのバスもこの村から出ています。ついでにそちらのバスの出発時間も確認しておきました。また夕方までにこの村に戻ってこなければいけないので、結構忙しないです。

Moreton-in-Marsh、めっちゃいい村でした。コッツウォルズストーンでできた、特徴的な色合いの街並みが広がってます。


鐘の音を聞くと近づいていく習性があります。鐘の音を辿って歩いてみると、小さな教会がありました。知らない田舎町で聞こえる教会の鐘の音って、どうしてこうも安心感があるんでしょう。

ぶらぶらと歩いているうちに、あっという間にバスの時間です。逃したら次もなかなかないので、忘れずに乗車しました。いざ、Bourton-on-the-Waterへ。

バスは広大な牧草地の中を、猛スピードで爆走します。牛や馬やヤギがのんびり食事している風景を尻目に、文字通り爆走します。

牧草地を走っていくと、Stow-on-the-Woldという村に着きます。本当はこの村でアンティーク等を見たいとも思ったのですが、あまりにも慌しいのは嫌なので車窓から眺めるのみにしておきました。渋さの中に可愛らしさを感じる街並み、とても好みです。次来るときは立ち寄りたいな。

 

さて、さらに牧草地を爆走します。しばらくすると、街並みが見えてきました。

着きました!
こちらがBourton-on-the-Water村です。
コッツウォルズのベニスとも言われていて、その名のとおり村には水路が走っており、そのほとりに家や店が立ち並んでいます。
コッツウォルズストーンの色と相まって、古きよき町並みという感じがします。

川にはアヒルがたくさんいました。ぐわぐわ鳴いています。水のせせらぎとアヒルの鳴き声を聞きながら、ぶらぶら散歩へ向かいます。

川沿いにずっと歩いたり、路地に入ってみたり。ロンドンとはまた違った趣があります。
愛犬家が多いのか、犬の散歩をしてる方が多かったです。ベンチに座って街並みや水で遊ぶ犬をぼーっと見ていると、時間がゆっくりと流れているように感じました。

あまりにもゆっくりと流れていたもので、ほとんどの時間をぼーっとして過ごしていました。買い物もろくにせず、食事もしていないことにも気付き、パブへ向かった……のですが、満席だったのでやめました。
パブもそうなのですが、至る所に「犬歓迎!」「ようこそ犬さん!」みたいな看板があったりして面白かったです。

パブの代わりにクリームティーをしようと思い、近くのカフェに入ります。
席まで案内してくれたのは女の子。店内を見回すと、男の子がジュース作りを手伝っています。
家族経営のカフェでした。
一人旅だったからか、余計に何かぐっと来るものがありました。

コッツウォルズクリームティー(だったはず)を注文すると、おそらくお父さんと思われる方がスコーンと紅茶を運んできてくれました。
冷え切った体に染み込む温かい紅茶とスコーン。とても美味しかったです。あと、やっぱりロンドンと比べると値段も段違いに安いです。
お会計はレジで行うスタイルだったのですが、会計もおそらく娘さんがやってくれました。

カフェを出て、バスの時間を確認しつつ、時間までまただらだら散歩します。

あまりにも何もしたくなくなる風景で、本当にだらだら散歩して川沿いのベンチに座って町を眺めて……という感じでした。それでもこれだけ満足感があるのは、やっぱり時間がゆっくりゆったり流れていたからだと思います。忙しなくあちこち村を飛び回ったりしなくてよかったなーと思いました。

バスの時間になったので、名残惜しいですが村を去ります。
Moreton-in-Marshまで戻り、Stratford-upon-Avon行きのバスの時間まで、駅近くのスーパーで夕食の買い物をしておきました。スモークサーモンのベーグル等々を調達。
ついでにスーパー内にあったカフェでカフェイン摂取と腹ごしらえをしました。これでStratford-upon-Avonで何があろうと(というよりも何もなかろうと当分は大丈夫です。
バス停に戻ると、待っているのは自分一人。微妙に心配になったので、一応、バスの運転手さんにStratfordへ行くか確認してから乗りました。

薄暗くなり明かりが点り始めるMoreton-in-Marsh。こういう景色も良いですね。

バスは暗闇の牧草地を爆走します。

揺られ揺られてしばらく経つと、到着。Stratford-upon-avonです。

「Stratford-upon-avonです」とか言っていますが、バス停付近は真っ暗で何も見えなかったので、この日は一切町の写真は撮っていません(写ったとしてもオバケくらいだったと思います)。次の日のちゃんと明るい時にパシャパシャしておりますので、ご了承ください。

さて、ここからホテルへ向かうのですが、徒歩だと3~40分ほどかかる距離です。しかも、店や駅のあるメインストリートとは逆の方向(牧草地が広がっている方)へ向かわねばなりません。
これはタクシーを使うしかないだろう。

……ということを考えながら、何もない道路をスマホのライトで照らしつつ歩き始めました。
3~40分くらいなら全然歩ける距離です。歩いてる途中で「自分何してるんだろう」と思いましたが。

街灯もないので、車が通らない限り本当に何も見えません。
でも、そのお陰で「夜の空って、やっぱり完全な暗闇ではないんだなあ」などと改めて実感しました。

曇りだったので星も出ていなかったのですが、なんとなく空と地、木々の境目が分かりました。
街灯もない場所の夜は、地上にある物の方がよほど暗く見えます。理屈では分かっていたのですが、実際そういうものを見る機会はあまりない気がします。漫画でもそういう表現をしていけば、それっぽくなるのだろうなと思いました。

そんな道を小一時間ほど歩き、暗闇の中でうっすらと光るホテルを見た時は、思わず「ちゃんとあった……」と声が出ました。何はともあれ、無事に到着できてよかったです。

ホテルに入ると、ロビーで暖炉が燃えていました。あったかい。
相当疲れたのでぱぱっとチェックインし、部屋へ。

部屋が……

写真では全く分かりませんが、めっちゃ天井高いです。あとベッドもキングサイズです。
ここに一人で寝ます、少し淋しい気もしますが、思う存分ゴロゴロすることにしました。

本当はそれからホテルのバーにでも行こうかな、とも思ったりしたのですが、一度ベッドに座ったら何もやる気がなくなりました。スーパーで買った食料を食し、これまた天井がめちゃくちゃ高いバスルームでシャワーを浴び(落ち着かなかった)、あっという間に就寝しました。
スモークサーモンベーグル、美味しかったです。

ホテルやStratford-upon-Avonの探索は、朝、明るくなってからです。
だらだらコッツウォルズ周辺編終わりです。

続きはまたいつか書きます。