大分遅くなりました。
おそらくこれで最後になります、ぼっちイギリス旅行記その4です。
実はこの年末年始はオーストリア・チェコで過ごし、GWをスペイン・ドイツで過ごしたのですが、この旅行記はイギリスです。
旅行に旅行記が追いつかないという本末転倒な事態が起こっているため、今までよりも端折り気味で参ります。
今回はさよならイギリスまたくるよ編です。
「続きを読む」からどうぞ。


昨夜は真っ暗でほとんど何も見えなかったStratford-upon-Avonの町を朝から散策します。
腕時計をホテルに忘れて一度戻ったりとボケボケでしたが、いざ町に出ると、バグパイプの音色で目が覚めます。朝から楽器の音色を聞くのはとても良いものですね。
池には白鳥が泳いでいました。夏になると、この池が白鳥だらけになるそうです。
こちらがシェイクスピアの生家です。古びた雰囲気が良い。
クリスマスの名残はしばらく続くようです。
と、町を散策したり白鳥を眺めたりしていたら、乗る予定だったStratfor-upon-avon発の新幹線の時間に間に合いませんでした。

チケットも未購入だったので次の電車を待てばいいのですが、次は数時間後。
次の日には帰国するため、早めにロンドンに帰りたいなーと思ったため、観光案内所に向かい、ロンドンへできるだけ早く着ける交通手段の時刻表を調べてみます。
――そして、わりとあっさり見つけました。

その手段というのが、バス。

どうやらバスでEveshamという町まで行き、Eveshamからロンドン行きの新幹線に乗れば、上記よりはマシな時間に着くようです。
次にEveshamへ行くバスは30分後。
停留所の目の前にあるマクドで軽く食事を済ませ、バスに乗り込みました。

ことこと、バスに揺られます。
自分含め数名しか乗っていない静かな車内。……ですが、今日は大晦日。
誰かが降車する際には”Happy new year!”と互いに言葉を交わしました。
知らない人と気軽に言葉を交わすことができるのも、この時期ならではかもしれません。

Eveshamに無事到着しましたが、時間がタイトなので駅までダッシュです。
写真は撮っていないのですが、素朴で温かみのある町並みでした。またゆっくり来たいです。

新幹線の駅に到着。チケットを買おうと駅舎へ近づいてみたら、大晦日なので閉まっていました。
無人駅と化したEvesham。チケット販売のない駅から乗車した場合は、車内で販売があるそうです。

新幹線に乗り込み、1時間後くらいにチケット販売員の方が来られたので、忘れずに購入しました。
これでもう安心してぼーっとできます。また、車窓を流れる長閑な牧草地を見ていたら、あっという間にロンドンに到着しました。

到着したのは結局夕方。大晦日だったため、町全体が賑わっています。
ニューイヤーパーティーに行くのだろう正装の人々も多く目に入ってきました。
もう既に酔っ払ってやたらと絡もうとしてくるイギリス人を躱しつつ、ささっとホテルのチェックインを済ませます。

ロンドンは大晦日にカウントダウン花火があります。
花火をいい感じの場所から見るためには事前購入のチケットが必要で、しかもそのために町の中心部を閉鎖するという徹底ぶり。地下鉄も一部動かなくなってしまうのです。
もちろんチケットなど買っていないので、変に動くと花火が終わるまで帰れなくなりかねません。こんな日はホテルでゆっくり年越しするに限ります。というわけで……

……外出しました。
手元にある食料が日本から持ち込んだカップラーメンだけだったので、「イギリスの大晦日で夕飯がカップラーメンは寂しすぎるよな」という安易な考えでした。今思い返すと本当にアホかと。

気になっていたパブに行こうと地下鉄に乗ったのですが、ホームから町に出た瞬間に察します。
「あ、これ出られないやつだ」

どこへ行こうと警察官が道を閉鎖しているので、どこにも行けません(文字通り全ての通りに柵や塀が設置されているので、路地裏からそっと出ることさえできませんでした)。
かといって地下鉄も止まってしまったため、戻ることもできません。仕方がないのでこのままエリア内の飲食店で一人で数時間過ごすか……でも警備の人に言えばもしかしたらエリアから出してもらえるかもしれない……どうしようかなー、と迷っていたら、イギリス人男性が話しかけてくれました。

この方がめちゃくちゃ親切な方でした。
「花火見ないの?」「見ないんです!でもここにきちゃったんです!」「マジか!もうここ閉鎖されてるし地下鉄も通ってないよ!ちょっと警備の人に言ってみよう」
と、そこから各所の警備の人に掛け合ってくれました。
結局この方のゴリ押しもあり、数十分歩き回って、なんとか柵の外に出ることができました。
彼はロンドンで家具屋さんをしているようで、「またロンドンに来てね、ハッピーニューイヤー!」と見送ってくれました。
本当に本当に感謝です。こんなにも人の優しさに触れることができた大晦日は初めてかもしれません。本当にありがとうございました。

そんなこんなでエリアを出て適当に軽食を済ませ、ついでに誰もいないキングスクロス駅でパシャリ。

魔法界には行けませんでした。

結局この年、イギリスでの年越しはカップラーメンでした。美味しいので万々歳です。
そして次の日は帰路に。

一人旅でしたが、やっぱり遠出はいいものだなあと改めて感じた旅でした。
さよならイギリスきっとまた来ます。

次の旅行記は(書くとしたら)オーストリア・チェコです。